★作 林 明子
★出版社 福音館書店
★発行日 1986年6月20日
あらすじ
黒いねこが、トコトコトコ…日が沈み、暗くなってきた三角屋根のお家の上で、まだ眠っているお友達ねこさんの所に向かっていると、パッ!とお家に明かりが灯ります。
さらに、三角屋根の上の方が明るくなり、みるみるうちに「おつきさま」が上空へ上っていきます。
「おつきさま こんばんは」
そこへ雲がたちこめてきて、「おつきさま」を隠してしまいます…しばらくすると、雲に隠れていた「おつきさま」とお話を終えた雲が流れ去り、「まんまる おつきさま」が再びお顔を出して、にっこり笑います。
そのステキな姿を見て、三角屋根の上の2匹のねこさんと、満月を見上げているお母さんと子どもがご挨拶、「まんまる おつきさま こんばんは こんばんは」。
絵本の夜空に浮かび上がる「満月」…その「月明り」の中の静かな出来事です。
全てのページが、三角屋根のお家を「定点」として繰り広げられていて、「おつきさま」をめぐる、まるで「子守歌」のような優しいお話です。
『ひよこさん』の「林明子」さんが、穏やかで美しい笑顔の「おつきさま」と、月明りに照らされた「ネコさんたち」と「親子」を、あたたかいまなざしで丁寧に描いています。
絵が大きく、穏やかなストーリーなので、「赤ちゃん」のファーストブックにお薦めのロングセラー絵本です。
Let’s Active Reading!

さて、今回も「アクティブリーディング」を始めましょう!
「アクティブリーディング」のやり方については、こちらをご確認ください。
早速、我が家の「アクティブリーディング」を振り返ります。
絵本のような、「十五夜」や「スーパームーン」などの大きい満月がお薦めです。
初めて見る「満月」に、赤ちゃんは一体どんな反応をするでしょうか?
ニッコリ笑顔かな? それとも泣き顔? 楽しみですね♪
「夜泣き」で起こされた眠い夜も、赤ちゃんと一緒に「おつきさま」を見上げると、どこかザワついた気持ちが、静かに落ち着いてくるから不思議です。
新月、三日月、十六夜など…満月ではない「おつきさま」も一緒に見てみましょう♪
「満月」を見せてあげれば、赤ちゃんは絵本と一致した「おつきさま」を認識しやすいと思いますが、満月ではない「おつきさま」と出会う夜の方が多い…「満月」以外の「おつきさま」を見せるのも「学び」です。
なぜなら、赤ちゃんも「おつきさまは、毎日形をかえるもの」と、うっすら認識するからです。
赤ちゃんに本物の「ねこ」を見せるのは、住んでいる場所や環境によって、出会う確率が全く違うのではないでしょうか。
ご自宅に「ねこ」がいるお家や、ねこの多い地域にお住いの方は、「あれ? あのねこさんが絵本に出てきたのかな~?」などと、絵本とねこを結びつけやすいと思いますが、ねこのいない地域にお住まいの方は、ぜひ赤ちゃんに動画などで、ねこを見せてあげてください。
できるだけ絵本の中の出来事を「自分ごと」にしてあげると、その絵本が身近になり、大好きな絵本に変身しますよ♪
親子の感想


「あっ! おちゅきさん(おつきさん)だ~!」

わが家の娘は、「林明子」さんが描いた『ひよこさん』で絵本に目覚め、かわいい「ひよこさん」に、絵本の世界に連れて来てもらいました♪
そんな「絵本の世界」に入るきっかけを作ってくれた、大好きな「林明子」さんが描く『おつきさま』も、娘にとっては、とても身近な存在として捉えられている様です。
保育園の帰り道に見上げる月や、「昼の月」までも、娘はよく「おつきさま」を見つけます。
「おつきさまは、毎日形をかえるもの」…と認識しているからです。
わが家にとって「林明子」さんの絵本は、たくさんの「知るきっかけ」を与えてくれる特別な存在です。
今回ご紹介した本
<日本語版>
<英語版>