あらすじ
真っ黒なお母さん猫から、子猫が生れました。
真っ黒な子猫が3匹と、真っ白な子猫が1匹です。
ある日、しろねこの「しろちゃん」は、自分だけが真っ白なことに気付きます。
「いやになっちゃうな。どうして ぼくだけ しろいんだろう。」
「しろちゃん」は、わざと白い毛を汚したりしますが、お母さんに見つかると、すぐになめられ、元の白い毛にされてしまうのでした。
ある日、お母さん猫が、子猫たちに言いました。
「今日は、お父さんが帰ってくるから、きれいにして待っておいで」と。
「しろちゃん」は、自分だけ白いのが恥ずかしくて、そっと家を抜け出しました。
さて、途中で「しろちゃん」が出会ったのは…?
白猫と黒猫のお話なので、まるで版画のようなタッチで描かれています(子猫4匹の鼻は、かわいく彩色)が、モノトーンであることを忘れてしまうくらい、ストーリーに引き込まれる、ハートウォーミングな絵本です。
MAYA MAXXさんが絵を手掛けており、猫さんたちの個性豊かな表情や、感情表現が見事です♪
Let’s Active Reading!
親子の感想
「しろちゃん、かわい~♪ うちには、くろちゃんがいるよ~♪」
(注:わが家には、黒猫の「クロ」がいます。)
この絵本は、黒い猫たちの中で「みんなと違って、自分だけが白い」ことを悩む「しろちゃん」の物語です。
ちょうど、年少さんくらいからでしょうか? 自分がお友達と、何か違うと気付くのは。
あの子は、足が速いし、あの子も、おむつが取れた。私だけ髪が少し茶色い、などなど。
大人であっても子どもであっても、「他の人と違う」点を気にしたり、悩んだりすること…つまりコンプレックスは、大なり小なりありますよね。
「しろちゃん」は、自分と同じ白い毛を持つ立派なお父さん猫を見てからは、「悩み」の種の白い毛が、「自信」へと変容し、コンプレックスから見事に解放されました。
ラストシーンのお父さんに抱っこされた「しろちゃん」の笑顔は、輝いています♪
「自分は、唯一無二」の存在だと認め、自信をもって生きていくこと。
この絵本は、こんな風に私達を優しく応援してくれている様です。
「自己肯定感」は、最近の幼児教育の大切なキーワードです。