★作 大槻あかね
★出版社 福音館書店
★発行日 2019年1月1日
あらすじ
すきとおりすけのすけさんです
このフレーズで始まり、空白のページでスタートします。
最初から、独特の世界観を醸し出す絵本です。
誰にも見えない「すきとおりすけのすけ」
しかし、鳥にフンを落とされ、スパゲッティのソースがかかったり、走り去る車の泥がかかったりして徐々に「すきとおりすけのすけ」の形姿が見えるようになってきます。
その後、「すきとおりすけのすけ」は、人と初めて接して、人の優しさに触れあいます。
独特な世界観を醸し出すも、繊細なタッチで描かれつつ、温もりを感じられる絵本です♪
Let’s Active Reading!

…実は、「オリオン座」の形を描いています…!
これを機に、「オリオン座」がどのような形なのか、図鑑などで調べてみよう♪
そして、実際に、お父さんお母さんと一緒に、星空を眺めて、オリオン座を見てみよう!
「いる」のに、誰にも「見られない」という気持ちはどのようなものだろう?
娘に聞くと、「悲しい気持ち」と答えていました。
(…抽象的な概念なので、小さな子にとっては、想像しづらい部分があると思います…)
人と触れ合えるということは、当たり前のように感じますが、とても幸せなことです。
友達、家族、ペット、普段周りにいる人や動物たちに会えること、お子さんと一緒に改めて喜びを共に分かち合いませんか…!
娘は、「なんで見えなくなってしまったのかな」と不思議に思っているようでした。
絵本の次の文章で締めくくっています。
すっかり あめも あがったようです
あなたも どこかで すけのすけに あえるかもしれませんよ
ほら、 あそこで すけのすけが てをふっています
すけのすけは、見えなくなってしまいましたが、「あなたのすぐ近くにいるよ」と伝えているのです。
親子の感想


なんで「すきとおりすけのすけ」は見えないの

「いるのにいない」
子どもにとっては、少し抽象的で難しい概念です。
しかし、それでも、見えぬものの存在というのは、大人よりも繊細に感じ取ることができるのは、まっすぐな気持ちを持つ子どもの方ではないでしょうか。
見えぬものの存在は、言語化すると、とても難しいものです。
しかし、絵本にすることで、「なんとなく」分かるような。そして、子どもであれば、より一層、実は身近な存在であるかもしれません。
この絵本は、ユーモラスだけでなく、温かみを持ちつつ、異世界との繋がりを感じ取れるような、不思議な一冊です。それも、不思議だけでなく、大事にしまっておきたい、特別な一冊です。