「えっ、小2で過去問?」「もう解かせてるの?」
そんなふうに驚かれることがよくあります。
たしかに、「過去問=6年生が受験直前に解くもの」と思われがちかもしれません。
でも我が家では、小学2年生の今から、いくつかの中学・大学の過去問を購入し、研究しています。
とはいえ、娘に解かせているわけではありません。
まずは、親が読む。読み込み、問いの背後にある“学校からのメッセージ”を受け止める。
これが、我が家の「過去問研究」の出発点です。
🏫 過去問とは、「学校からの本当のメッセージ」である
多くのご家庭では、過去問を「演習ツール」として捉えます。
でも私は、まったく違う角度から過去問を見ています。
それは──
「過去問は、その学校が『最低限、このくらいのことはわかっていてほしい』という“哲学”である」
ということ。
なぜこの問題が出されるのか?
なぜこの形式で、なぜこのテーマなのか?
その背景には、**「どのような生徒を求めているか」「どのような教育をしたいか」**という、学校からの明確な問いかけがあると私は捉えています。
つまり、過去問は単なる問題集ではなく、学校の思想や先生の想いがにじみ出た“言葉にならない願い”の詰まった手紙のようなものなのです。
📘 なぜ過去問を「早く」読むべきなのか?
この“メッセージ”を読み解くには、時間が必要です。
だからこそ、私ははっきりと言いたい。
6年生になってからでは、遅い。
テクニック的に解くだけでは、本質は見えません。
偏差値の合う学校を探すのではなく、**「理念に共感できる学校かどうか」**を見極めることこそが、受験の最初にくるべきです。
そのために必要なのが、過去問の読解=学校の読解です。
「この学校の問いには惹かれる」「この文章を読ませたいと思っている先生はどんな人だろう?」
そう思えるかどうか。
親がその学校の“ファン”になれるかどうか。
それが、受験校選びの第一歩なのではないでしょうか。
🧭 過去問は「未来の地図」である
受験を「地図のない登山」にたとえるなら、過去問はその“詳細な地形図”です。
出題傾向や難易度ではなく、
- どんな力を問うているのか
- どのように考えさせたいのか
- どんな姿勢で学びに向かってほしいのか
──それを読み解くことで、今からの学びの軸が定まります。
🔄 過去問の使い方は3ステージに分けて考える
我が家では、過去問活用を以下の3段階に分けて捉えています。
【第1ステージ】研究期(小2〜小4)
親が読み込む。学校の意図を読み解く。
- 解かせなくていい
- 過去問を通して「学校を知る」ことが目的
- 記述量、設問の構造、リード文、出題ジャンルなどを徹底分析
【第2ステージ】慣熟期(小5)
子どもが問題の“顔”を知る段階。
- 時間無制限で問題に触れる
- 解ける・解けないよりも「形式に慣れる」ことが中心
- “答え合わせ”より“発想のプロセス”を褒める
【第3ステージ】実践期(小6)
本番形式で時間管理・自己分析を含めて演習。
- 過去問で得点力を確認する
- ただし、「できなかった=ダメ」ではなく、「できなかった=チャンス」と捉える
- 直しノートや記述添削に力を入れる
🌸 桜蔭中・東京大学・医科歯科の過去問に共通する「哲学」
娘は桜蔭中学を第一志望としています。
そしてその先に、東京大学理科三類や東京医科歯科大学を見据えています。
私は、それぞれの過去問を手に取り、比較して読みました。
すると見えてきたのは、驚くほどの共通点──
- 記述が多い
- 答えが一つではない
- 自分の言葉で考えを述べる必要がある
- 情報を咀嚼し、自分なりに論理構成する必要がある
桜蔭の国語の問題は、東大の論述と本質的に似ています。
暗記では通用しない、「考え抜いて表現する力」が問われているのです。
📝 我が家の実践:日記 × 作文 × 過去問研究
この気づきから、私たちの家庭学習は次のように構成されています:
- 毎日日記を書く
→ 自分の言葉で、自分の思いを構成する - 作文に挑戦する
→ 課題に対して、自分なりの視点と理由を明確にする - 親が過去問を読み込む
→ 子どもが進むべき方向を、あらかじめ照らす
🚫 偏差値から逆算する受験はしない
ここで、あえて強く申し上げたいことがあります。
「子どもの偏差値」から「学校の偏差値」にあてはめて志望校を決める」──これは、私たちの考え方とは真逆です。
偏差値は、今の“地点”を示すにすぎません。
過去問を通して「どんな人を育てたいか」を感じ取り、
共感できる学校に挑戦することこそが、本来の中学受験ではないでしょうか。
📦 過去問研究が導く、親子の「志」の共有
過去問を読むことは、単に勉強の効率を上げるためではありません。
それはむしろ、学校の理念にふれ、子どもと“志”を共有するための時間なのです。
- この学校の問いに、心が動くか
- この先生の意図に、共鳴できるか
- この学校で6年間、わが子がどう育つかをイメージできるか
それが「過去問を読む」という行為の真の価値だと、私は確信しています。
✨ おわりに:中学受験は、過去問から始まる
我が家では、中学受験は過去問から始まると考えています。
塾に丸投げではなく、親が主体となって学校と向き合う。
それがあって初めて、「家庭の中に“志望校の哲学”が息づく」のです。
そして何より──
過去問から“学校のファン”になること。
これこそが、もっとも幸せな受験の入口だと思います。
今日もまた、娘が日記を書き、私が過去問を読み込み、
小さな学びの炎が、静かに灯っています。

