「答えを見てしまった日」を越えて、我が子が手にした“本当の学び”とは
「野口英世記念館に行こう」
それは、ただのご褒美ではなかった。
小学2年生の6月。
娘は、人生で初めて「重みのある1冊」に挑みました。
それが、文理の『トクとトクイになる!小学ハイレベルワーク』。
1ページずつ、じっくりと。
簡単には終わらない。
でも、本気でやり切ったら、君を“研究者”に会わせてあげよう。そう話して始まった、ある意味“挑戦の書”です。
私たちがこの教材に託したものは、点数ではありませんでした。
「やり抜く力」と「誠実な姿勢」。
どんな偏差値よりも尊く、将来を変える根っこになるものを、娘と一緒に育てたかったのです。
1|なぜハイレベルワークを選んだのか?
中学受験を目指すご家庭であれば、Z会や四谷大塚などの講座名がまず浮かぶかもしれません。
けれど我が家は、あえて**「市販教材」から最高水準のものを選ぶ**という方針をとっています。
その中で、「学校+α」の中で限界まで深く思考させる問題構成を持っていたのが、文理のハイレベルワークでした。
- 計算だけでは通用しない、文章題の切れ味
- 記述式にも強い、自分の言葉で説明する問い
- 1ページあたりの問題数がちょうどよく、「朝学習」にも使える
そして何より、やってみて気づいたのは、
この教材は「量」でなく“質”で勝負しているということでした。
2|完走のカギは「解答を見てしまった日」だった
ある日、娘はひとりで教材を進めていました。
私たち両親が不在の日。静かに机に向かい、ページが進んでいました。
「今日はずいぶん早いね」
そう声をかけたとき、娘の目が少し泳いだのを私は見逃しませんでした。
そして…彼女はぽつりと告げました。
「途中で…答え、見ちゃったの」
「ズルだよね。でも、お父さんにウソはつきたくなかった」
私は、そのとき涙が出そうになりました。
答えを見たことにではありません。正直であろうとしたその勇気にです。
私たちはこう言いました。
「よく言ってくれたね。それがいちばん大事だよ」
「もう一度一緒に解こう。次は“本物の自分”で向き合おう」
怒ることは簡単です。
でも、信じて預けた教材だからこそ、最後まで“信じる教育”で応えたかったのです。
3|小2でも“本気”に向き合わせた我が家の仕掛け
「親が教材を渡せば、子は自然に成長する」――そんな理想はありません。
我が家は、徹底的に“仕組み”で支えました。
- 朝5時起きの生活リズムに組み込む
- 解くページ数は前日に決め、見通しを共有
- 正答率ではなく、「解こうとした姿勢」に着目してほめる
- 間違いは消しゴムでなく、赤で“もう一度解いた軌跡”を残す
- 親もとなりで“別の学習”をして、黙って見守る空気をつくる
そして何より、
「今日はこれだけ解いたんだ!」と自ら言いたくなる環境を整えました。
学習とは、「やらされるもの」ではなく、「やったことを誇れるもの」なのです。
4|やり終えて見えた、“数字では測れない”成長
ハイレベルワークを全ページ終え、いま娘は間違い直しの仕上げに入っています。
この1冊で、我が子に何が残ったのか?
それは、以下のような目に見えない“変化”です。
- 「自分の頭で考えたい」という欲が生まれた
- わからなかった問題も、“立ち向かう姿勢”をやめなかった
- 正答にたどり着いたとき、自分で拍手していた
- 失敗を「恥ずかしい」と思わず、「もう一回」と言えるようになった
教材の本当の価値は、子どもの「人格に触れる力」があるかどうか。
ハイレベルワークには、それが確かにありました。
5|いよいよ「トップクラス問題集」へ挑む理由
この経験を経て、娘はもう、次のステージに進む覚悟ができています。
選んだのは――『トップクラス問題集』。
全国トップ層の中学受験にも通用する、最上位クラス向けの問題集です。
なぜ今これに挑むのか?
それは、「できる問題を繰り返す」のではなく、
「解けなかった問題に立ち向かう力を鍛える」段階に来たからです。
- 思考を何段階にも伸ばす力
- 問題文を正確に読む読解力
- 記述力と、論理の筋道を持つ表現力
これらは、桜蔭中学を目指すうえで必須の武器。
ここから先は、いよいよ**“真の受験力”を育てる本格期**に入っていきます。
結び|「完走」はゴールではない。
“未来をつくる小さな通過点”である
教材は消耗品ではありません。
子どもの人格に、人生に、未来に、本質的な影響を与える「道具」です。
我が家がハイレベルワークをやらせたのは、
その1冊が、「人を育てる教材」だったからです。
答えを見てしまった日も、
涙が出るくらい悔しがった日も、
何も言わずに一人で頑張った朝も――
すべてが、娘の未来に必要な日々でした。
次は、トップクラス問題集。
そして、その先にある“世界に通じる学び”へ。
この記録が、どこかのご家庭の背中を押すことができたなら、
親子でがんばった意味が、またひとつ増える気がします。