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中学受験をするかしないか、まだ決めきれないあなたへ ――「やる・やらない」より先に話しておきたい家庭の優先順位

中学受験の戦略(低学年〜)
この記事は約7分で読めます。

1.「中学受験、する?しない?」というモヤモヤをどう扱うか

小学校低学年くらいになると、
周りからこんな言葉が聞こえてきます。

「○○ちゃん、もう塾通い始めたらしいよ」
「あのご家庭は中学受験するんだって」
「うちはまだ決めてなくてね……」

そのたびに、心のどこかでざわっとする。

  • うちはどうするんだろう。
  • このままで大丈夫なんだろうか。
  • 準備が遅れているのでは?

決めていないことが「悪いこと」のように感じてしまい、
モヤモヤを抱えたまま日々が過ぎていく。

でも、私ははっきりと言いたいです。

「今の時点で中学受験を決めきれていないこと」は、
何も悪いことではありません。

むしろ、

  • 子どもの性格
  • 家庭の価値観
  • 家計の事情
  • その子の将来像

いろいろな要素を丁寧に考えようとしているからこそ、
簡単には「やる!」と決められないご家庭も多いはずです。

だからまずは、
このモヤモヤを「決断できていない自分へのダメ出し」にせず、

「わが家らしい選択を探している途中なんだ」

と捉え直してあげてほしいなと思います。

そのうえで、
「やる・やらない」の前に
“家庭としての優先順位” を話し合っておくことが、
何より大切になってきます。


2.偏差値や合格実績より先に、家庭で決めておきたい3つの軸

塾のチラシやネットの情報には、
偏差値・合格者数・進学実績がたくさん並んでいます。

それ自体は、もちろん大事な情報です。
ただ、そこから考え始めてしまうと必ず迷子になります。

その前に、家庭の中で
こんな3つの軸を一度ゆっくり話しておくと、
選択がぐっとぶれにくくなります。

① どんな大人になってほしいか

  • どんな仕事についてほしいか
  • というよりも、「どんなふうに生きていく人であってほしいか」

ここを言葉にしておくことが、とても大きいです。

たとえば、

  • 自分の頭で考えられる人になってほしい
  • 困っている人に気付ける優しさを持っていてほしい
  • 世界を相手に仕事ができるくらいの教養と英語力がほしい
  • どんな環境に置かれても、生き抜く力を持っていてほしい

こういう“人としての軸”が見えてくると、

「そのために、中学受験は“使う”のか、“使わない”のか」

という発想に変わります。

「中学受験をするかしないか」がゴールではなく、

「この子がこういう大人になるために、
中学受験というルートは相性がいいのかどうか。」

そんな視点で、落ち着いて考えられるようになります。

② どんな10代を過ごさせたいか

中学受験をすると、
どうしても小4〜小6あたりの生活は
“受験色”が濃くなります。

  • 塾中心の時間割
  • 週テスト・公開模試・志望校別特訓
  • 土日は模試や特訓で埋まることも多い

それを否定するつもりはまったくありません。
むしろ、本気で走り切った子にしか見えない景色もあります。

ただ一方で、

  • 部活で思いきり体を動かす10代
  • 公立中で友達とゆったり過ごす10代
  • 地元でのびのび過ごす10代

こういう時間にも、それぞれの良さがあります。

だからこそ、

「うちの子には、どんな10代を味わわせたいか。」

という問いを、
一度じっくり話してみてほしいのです。

  • 小学生の間に、どこまで“受験モード”に振るのか。
  • 中高6年間で、どんな友人関係・部活動・環境を経験させたいのか。

このイメージがあるだけで、
中高一貫校なのか、公立中+高校受験なのか、
自然と見えてくるものが変わってきます。

③ 日々の生活をどこまで受験色に染めるか

中学受験は、良くも悪くも
家族全体の生活の色を変えていきます。

  • 帰宅時間
  • 夕食の時間
  • 家族ででかける頻度
  • 祖父母との時間
  • 休日の過ごし方

「受験なんだから、我慢して当然」
と言ってしまえばそれまでですが、

どこまで日常を“受験仕様”に変えるのか。
どこから先は“家族の生活の土台”として守るのか。

ここを話し合っておかないと、
あとから親子ともに苦しくなります。

たとえば、

  • 22時以降は、どんなことがあっても勉強させない
  • 日曜日の午前中は、家族で過ごす時間にする
  • 年に数回は、受験に関係ない“ただの家族旅行”を入れる

など、「わが家のレッドライン」を
ざっくりでも決めておく。

それが、
「中学受験をしても、家族の生活を手放しすぎない仕切り」
になってくれます。


3.中学受験を「人生のゴール」にしないための視点

受験ブログを書いていると、
どうしても中学受験が
人生の“山場”のように語られがちです。

  • どこの中高一貫に入れたか
  • 合格したかどうか
  • 偏差値いくつの学校か

もちろん、当事者にとってはものすごく大きな出来事です。
数年間の努力が一気に結晶化するわけですから、
軽く扱うつもりは一切ありません。

でも、冷静に考えてみると、

中学受験はあくまで「人生の一章」であって、「最終章」ではない。

ここを忘れてしまうと、
親も子も、どうしても視野が狭くなってしまいます。

  • 合格したら「勝ち」
  • 不合格なら「終わり」

そんな白黒の世界で戦っているうちに、

「そもそも、何のためにこんなに頑張っていたんだっけ?」

という原点を見失ってしまう。

中学受験の先には、

  • 高校生活
  • 大学受験
  • 社会人としての生活
  • もっと先の、長い長い人生

が続いていきます。

だからこそ、家庭として意識しておきたいのは、

「中学受験を“ゴールテープ”にしない。」
「ここから先も続いていく物語の、一つのターミナルだと捉える。」

という視点です。

合格したら終わりではなく、

「この受験で身につけたものを、
次のステージでどう活かしていくか。」

そこまで含めて“プロジェクト”として考えておくと、
親の気持ちも、少し楽になります。


4.“やる/やらない”より、「やるならここまで本気」「やらないならこの軸」を決める

中学受験の情報を見ていると、
どうしても「やるか/やらないか」の二択に
引きずり込まれがちです。

でも、本当に大事なのはそこではなくて、

「やるなら、このラインまで本気でやる」
「やらないなら、この軸でしっかり育てる」

という “腹のくくり方” だと思うのです。

「やる」と決めたなら

  • 「塾にお任せ」ではなく、家庭もプロジェクトチームの一員になる。
  • 生活リズム・睡眠・食事・運動を、学力と同じくらい大事にする。
  • 偏差値だけで志望校を決めず、
    校風やカリキュラム・進学実績を含めて“本当に通わせたいか”を考える。
  • 合否に関わらず、「ここまで頑張ったプロセス自体を称え続ける」と決めておく。

「やらない」と決めたなら

  • その分、地元の公立中での時間の使い方を本気で設計する。
  • 高校受験やその先を見据えた「基礎学力」を、家庭学習でしっかり積み上げる。
  • 読書・体験活動・部活動など、
    中学受験では取りづらい選択肢を積極的に取りに行く。
  • 「うちは中学受験しないから」と、
    逆方向の“思考停止”をしないと決めておく。

どちらを選んでも、
本気になれば、どちらのルートにも豊かさがあります。

問題なのは、

「なんとなく周りの雰囲気で決めて、
なんとなく塾に入れて、
なんとなく流されていく。」

という状態になってしまうこと。

だからこそ、

  • 「やるなら、ここまで本気でやる。」
  • 「やらないなら、この軸でしっかり育てる。」

という家庭の姿勢を、
できる範囲で言語化しておきたいのです。


5.まだ小2の今だからこそ、焦らずに話し合いたいこと

私は今、小2の親として、
毎日の学習や生活を一緒に積み重ねながら、
このテーマについてずっと考え続けています。

  • 桜蔭や御三家といった最難関校への憧れ。
  • 医学部や難関大学への道を、どう描いていくか。
  • 一方で、地元の学校や地元の友だちとの関係も大切にしたい思い。
  • 家族の生活リズムや、二拠点生活とのバランス。

いろいろな要素が絡み合っていて、
正直に言えば、
「これが絶対の正解だ」とは言えません。

ただ一つ、
今のうちから心に決めていることがあります。

「情報に煽られて決めない。
“わが家の優先順位”から決める。」

  • どんな大人になってほしいか。
  • どんな10代を過ごさせたいか。
  • 日々の生活をどこまで受験色に染めるのか。

この3つの軸を、
何度も何度も家族で話し合っていく。

そのうえで、

「中学受験というルートは、
わが家にとって本当に幸福な選択なのか。」

をじっくり見極めようと思っています。


6.おわりに:決めきれていない“今”は、悪いことではない

もし今、
「中学受験をするかしないか」で
モヤモヤしているご家庭があるなら、
その気持ちに、心からお疲れさまを伝えたいです。

「決めきれていない今」こそが、
実は一番“真剣に子どもの人生を考えている時間”なのかもしれないからです。

  • 周りに流されて、何となく決めてしまうのは簡単。
  • 塾の合格実績だけを見て、飛び込んでしまうのも簡単。

でも、そこをあえて踏みとどまって、

  • うちの子には、どんな10代を歩ませたいのか。
  • 中学受験を、どういう位置づけで扱いたいのか。
  • 家族の生活リズムや価値観と、矛盾していないか。

こうした問いを投げかけているあなたは、
きっと、我が子の人生を本気で考えている親御さんです。

中学受験を“家庭のプロジェクト”として捉えるなら、
そのスタートは、
「偏差値」でも「塾名」でもなく、
“わが家の優先順位を話す時間”
から始まります。

まだ小2の私も、
同じスタートラインに立ちながら、
これからも一緒に考え続けていきたいと思っています。

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