悩めるお母さん
「子どもが本を読まない…」
「もっと小さい頃から本を読ませておけば良かった…」
今回、「読書離れ」について記事にしました。
この記事では、データで、現代の子どもたちがいかに「読書」をしていないか把握します。
そして、「読書」を習慣化できるように、親はしっかりと「絵本の読み聞かせ」をしてあげようという趣旨で書いています。
・「〇〇離れ」について
・「読書」はしなくてもいいのか。
・「読書離れ」の現状【データで把握しよう】
・成功者たちの圧倒的な読書量
私たちの時代、そして、子どもたちの時代へ
「近ごろの若者は本を読まない。」
「読書離れ」「本離れ」「活字離れ」が叫ばれてから久しい。
しかし、この「〇〇離れ」は他にもさまざま言われてきました。
「クルマ離れ」「酒離れ」「新聞離れ」「タバコ離れ」…その他諸々存在します。
世の中が変わるのは必然であるが故、企業が提供してきた商品を買わないからと言って、若者の「〇〇離れ」はけしからんと若者の責任にするのは筋違いだと思います。
新しい商品が誕生し、トレンドが目まぐるしく変化するので、世の中のニーズが変容するのは当たり前のことであり、企業自体が今まで提供してきたヒット商品に固執する時代は終わりました。
企業も次々に変容しなければなりません。
企業努力は常に求められており、これができなければ否応なしに淘汰されます。
しかし、「本離れ」「読書離れ」は、とても見過ごすことのできない、由々しき事態です。
なぜなら、人として成長するのに、「本を読む」「読書をする」行為は他に代替の利かない、唯一無二の行為だからです。
読書こそ、人間力を鍛える術である
読書は思考活動における素地をつくるものだ。もちろん読書をしなくても考えることはできないわけではない。しかしそれは、四股を踏まない者がとる相撲のように、レベルの低いままに止まる。本格的な思考力は、すべての活動の基礎だ。経済活動にせよ、詰まるところ思考力である。日本経済の危機が叫ばれているが、読書力の復活こそが、日本経済の地力を上げるための最良の方法だと考えている。
「読書力」齋藤孝著 岩波新書より
大学教授であり、教育研究家の齋藤孝氏も、読書力の復活を訴えています。そして、さらにこう述べています。
本は読んでも読まなくてもいいというものではない。読まなければいけないものだ。こう断言したい。
「読書力」齋藤孝著 岩波新書より
齋藤孝氏もかなり熱く述べています。「読書」という行為に対して並々ならぬ想いを持っていることが伝わってきます。そして、「本」に対する姿勢について、私たちも全く同感です。
人は、自らの人生のうち、「壁にぶつかる」瞬間があります。しかし、思慮の深い人間であれば、その「壁」を乗り越える可能性が高まります。その思慮深い考え方は、「読書」をすることで、より一層強まるのではないかと思います。
詰まるところ、「読書」こそが、人間力を鍛えるために、必要不可欠な行動だと考えます。
「読書離れ」の現状
ここで、子どもたちがどれだけ「読書」をしているのか、データで見てみましょう。東京都が出しているデータがありますので、参考まで掲示します。
全国水準よりも、東京都の生徒は「本を読む」割合が高いのですが、それでも芳しくない状況です。
1か月間に「本」を読んでいない児童・生徒の割合
東京都「令和元年度 児童・生徒の読書状況調査等の結果について<概要版>」より(単位:%)
H25年 | H27年 | H29年 | R1年 | |
小2 | 2.6 | 3.3 | 3.3 | 2.9 |
小5 | 5.4 | 5.0 | 3.7 | 4.2 |
中2 | 13.2 | 11.1 | 11.1 | 9.9 |
高2 | 31.8 | 36.8 | 28.8 | 30.6 |
「本」を読まなかった理由【複数回答可】
東京都「令和元年度 児童・生徒の読書状況調査等の結果について<概要版>」より(単位:%)
読みたい 本がな かった | 本を読む 時間がな かった | 本を読む ことに興 味がない | 文章を読む こと、字を 見ることが きらい、め んどう | どれも あてはま らない | 無回答 | |
小2 | 34.0 | 25.0 | 39.1 | 18.6 | 18.6 | 5.8 |
小5 | 46.5 | 21.3 | 43.5 | 26.5 | 11.3 | 10.0 |
中2 | 46.5 | 30.2 | 53.1 | 27.8 | 6.0 | 4.9 |
高2 | 37.0 | 36.0 | 39.4 | 16.2 | 9.2 | 4.4 |
現状を踏まえて
このデータの数値を見て、かなり衝撃を受けました。「本」を読んでいない児童・生徒があまりに多すぎです。
これらのデータを見ると、学年が上がるにつれて、1か月間に「本」を読んでいない児童・生徒の割合が高まることが分かります。低学年ほど、親や教師の生徒を見る目が近いせいか、「本」を読む環境があるのではないでしょうか。
学年が上がると、習い事が増えたり、友達付き合いが忙しくなるなど、自分の時間が減っていくことが考えられます。中学生以上になると、塾の時間や部活動に打ち込む生徒が増えていきます。そこで、本を読む習慣ができているかどうかで、学年が上がっても、本を読み続けることができるかが関わってくるのではないかと推測できます。
また、東京都「令和元年度 児童・生徒の読書状況調査等の結果について<概要版>」では、「本」を読んでいる児童生徒は、身近な人と本を通じてコミュニケーションをとっている割合が高いことが判明しています。つまり、家庭などで、本を読んだ感想などを共有している時間が取れているかどうかも、読書の習慣化につながるのではないでしょうか。
結論として、家庭で、読書したことに対する会話をすればするほど、その子どもの将来も読書家であるかどうかに関わってくるようです。
東京都「令和元年度 児童・生徒の読書状況調査等の結果について<概要版>」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/03/05/documents/12.pdf
成功者たちの読書【圧倒的な読書量】
世界的に著名な成功者たちは読書量がとにかく圧倒的です。一般人の読書量を凌駕しますが、成功するかどうかを分ける一つの指標かもしれません。
ここで、世界で活躍する成功者たちの読書に対する姿勢を見てみましょう。
イーロン・マスク(米国実業家、宇宙開発企業スペースX・電気自動車企業テスラCEO)
9歳の頃から、1日10時間はSFを読書していました。
同じ頃にブリタニカ百科事典全巻を読破しています。
小学校の図書室や、近所の図書館の本も読み尽くしていたそうです。
ウォーレン・バフェット(米国投資家、バークシャー・ハサウェイ会長兼CEO)
毎日新聞5紙と企業報告書500ページを5~6時間かけて読みこみます。
彼は、母校の大学卒業式でこう述べました。
「読書に勝るものはない。探究心を持ちたいものだ。『もし、歴史上の人物を含めて誰か一人とランチをするとしたら、誰を選ぶか』と聞かれることがある。実は、本を読むことで歴史上のすべての偉大な人物と昼食をともにすることができる」
ビル・ゲイツ(米国実業家、マイクロソフト創業者)
年間で50冊の読書をします。
1万4000冊以上の書物が蔵書される個人図書館を所有しており、「Think Week」と言われる、「読書」と「思考」のために、1週間外部との接触を断ち、自分の時間を設けるといいます。
その他にも世界で活躍する人々
この他、マーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジ、孫正義なども、世界で活躍する経営者たちは読書の時間を大切にし、多読しています。1分1秒を競い合って多忙な生活をする成功者でさえ、1日のうちに読書の時間を設け、自分の勉強時間を設けているのです。
一般人であっても、他の人よりも頭一つ抜きん出るには、このような「自分磨き」の時間は必要不可欠だと言えます。そして、それは、読書することで、思考する時間を大切にすることが重要です。
読書をすれば成功するわけではありません。しかし、成功するには、読書する必要があります。
まとめ
この記事では、さまざまな本を引用しながら、「読書する」ことを考察してきました。
世界で活躍する経営者たちが、毎日超多忙な日々を送っているにもかかわらず、日頃の読書をどれほど重要視しているかが垣間見えました。しかし、このブログでは、成功者たちが読書しているから、みんな「本を読もう」と言いたいわけではありません。
「読書する」だけではなく、「読書した」うえで、どれだけ自分の頭で、思考を深堀りすることができるか。この「本質的な読書」に至るまでには、大変な時間がかかり、一朝一夕でできるものではありません。
だからこそ、幼児期から絵本を読み聞かせ、本に慣れ親しみ、「本が友達」と言えるだけの環境を整えてあげることが親の役目ではないかと考えているのです。子どもに「読書する」習慣を身につけるためには、「絵本の読み聞かせ」を必ず習慣づける必要があります。
そして、親の我々も、「読書」を必ずしましょう。
まずは、親が子ども達に「読書する」背中を見せて、お手本になりましょう!
きっと、明るい未来を子供たちに託すことができますよ♪