「うちの子、テストが返ってきても何も見返さないんです」
そんな声を、保護者の方からよく耳にします。
全国統一小学生テストをはじめとする学力テスト。
点数や偏差値は、結果として目に見える指標ですが、
**本当に大切なのは、“テスト後の過ごし方”**です。
実力を伸ばす子には、ある共通点があります。
それは、**「間違いを“宝の山”と捉えられる力」**です。
ではどうすれば、子どもが「自分から解き直す」ようになるのでしょうか?
今回は、**偏差値アップの根幹にある“家庭の関わり方”**に焦点を当てていきます。
1. 「もう一度解きたい」と思わせる“親の声かけ”
テストの結果を見た瞬間、つい言ってしまいがちな一言。
「どうしてここ間違えたの?」――これは、親から見れば当然の反応かもしれません。
でも、子どもにとっては「責められた」「また怒られる」と感じやすい言葉です。
すると、間違いを“見たくないもの”として遠ざけるようになります。
実力を伸ばす子どもたちに共通しているのは、
間違いを肯定的にとらえられる環境にいること。
たとえば、こんな声かけはどうでしょう。
- 「あ、この問題って、前に似たの解いたよね。どう考えたの?」
- 「ここ、惜しかったね!あと1歩まで来てたよ」
- 「この問題、難問チャレンジだったのに、最後まで解いたのすごいね」
こうした言葉は、子どもの「間違い」を「挑戦」として認識させ、
もう一度チャレンジしたいという前向きな気持ちを引き出してくれます。
親の一言で、“解き直し”は罰ではなく、成長の入り口になります。
2. 「解き直しが当たり前」になる家庭の習慣
“できなかった問題”にもう一度向き合うこと。
それを「苦行」にするか「当たり前」にするかは、家庭の工夫次第です。
我が家では、次のような3つの工夫を実践しています。
✅① 解き直しノートをつくる
問題をコピーして貼り、
**「なぜそう思ったか」**や「どこでつまずいたか」を自分の言葉で書き添える。
間違った理由を“言語化”することで、
思考の癖や誤解していたポイントに気づくことができます。
✅② 「ママ採点方式」で会話する
子どもと一緒に答え合わせをしながら、
「ここまでは合ってたよ」「最後の計算ミスだけだったね」など、
プロセス重視のフィードバックを行うようにしています。
正解・不正解よりも、考えた過程やアプローチに目を向けることで、
子どもは自分の力を認められたと感じ、自信につながります。
✅③ テストを“特別なプレゼント”にする
「このテストは、全国のライバルたちから贈られた挑戦状だよ」
――そんな言葉でテストを“特別なミッション”に変換すると、
子どもは受け身ではなく、自分ごととして受け止めるようになります。
3. 偏差値では見えない「学力の根っこ」
偏差値は、あくまで“比較の数字”にすぎません。
本当に大切なのは、「どう考えたか」「どう修正したか」という思考の中身です。
たとえば、間違えた問題でも「なぜそう考えたのか」を丁寧に振り返ることで、
思考力・読解力・論理性など、目に見えない“学力の土台”が養われていきます。
全国統一小学生テストのような大規模模試は、
ただの「競争」ではなく、自分の学びの立ち位置を知るための羅針盤。
解き直しを通して、点数を“経験”に変える力を育てることができます。
4. 親子で「成長ノート」をつけてみよう
最後に、ぜひおすすめしたいのが「テスト成長ノート」。
これは、点数を記録するだけでなく、
- どの問題で悔しかったか
- どこで成長を感じたか
- 次回に向けてどんな準備をしたいか
などを、親子で一緒に書いていくノートです。
学力の“見える化”だけでなく、
子どもの言葉で学びを振り返る習慣が生まれます。
また、親が「よくがんばったね」「この考え方は前回と変わったね」と書き添えることで、
子どもの自己肯定感や主体性も育っていきます。
ノートのページをめくるたびに、
**「過去の自分との成長の対話」**ができるようになるのです。
🔚 おわりに
テストで一番大切な時間は、
「受ける前」でも「受けている最中」でもなく、
「テストが終わった“あと”」にこそあります。
親の声かけひとつ、関わり方ひとつで、
子どもは“自分から学びに向かう力”を育てていけます。
点数や偏差値は、学力のほんの一部。
その先にある「伸びしろ」と「生きる力」を、
テストを通じて一緒に育てていきませんか?

