★作・絵 なかや みわ
★出版社 福音館書店
★発行日 1997年5月1日
あらすじ
「そらまめくん」の宝物は、雲のようにフワフワで、綿のように柔らかいベッドです。
そんなステキなベッドをめぐる、そらまめくんの「心の成長」を、丁寧に優しく描いた絵本です。
そらまめくんのベッドにあこがれている、えだまめくんや、グリーンピースの兄弟、さやえんどうさん、ピーナッツくんたちは「ベッドで眠ってみたい」とお願いしますが、そらまめくんは「だめだめ」と理由を付けては、自分のベッドを誰にも使わせようとはしませんでした。
そんなある日…そらまめくんの自慢のベッドが、忽然と(!) 無くなってしまいます!
仲間のみんなに聞いても「しらないよ」と言われ、何日も何日も、一生懸命ベッドを探しますが…さて、「そらまめくん」のベッドは、一体どこにあったのでしょうか?
大人気の「そらまめくんシリーズ」の一冊目の絵本です。
「そらまめくん」の「心の成長」を描くだけでなく、黄色いカタバミやオオバコなどの草花、お豆の仲間たちを見守ってくれている、てんとう虫やありさんなど、「なかやさん」の動植物への細やかな、温かい愛情が、随所にちりばめられています♪
Let’s Active Reading!

できれば、お豆を買い求め、子どもに触れてもらい、実際に食べてみましょう♪
(春がメインのお豆ですが…)
ぜひ、本物に触れさせてあげましょう♪
特に、子どもに、そらまめの「外側の皮」を触らせてあげると「そらまめくんのベッド、本当にフワフワだね~」と、感動しますよ♪
①そらまめくんは、どうしてお友達にベッドを貸してあげなかったのかな?
②そらまめくんの自慢のベッドが無くなった時、どんな気持ちだったかな?
③仲間のみんなに聞いてみても、「しらない」と冷たくされた、そらまめくん。
どんな気持ちがしたかな?
④その後、かわいそうに思った仲間のみんなから、「貸してあげるよ」と言われた、
そらまめくん。どんな気持ちがしたかな?
⑤やっと、ベッドを見つけた、そらまめくん。
でも、すぐには、うずらのお母さんには声をかけませんでした。なぜかな?
⑥そらまめくんは、うずらの卵がひよこにかえったのを見て、どう思ったかな?
⑦みんなでお祝いのパーティーをしたよ。そらまめくんは、どんな気持ちかな?
⑧パーティーの後、そらまめくんは、みんなをベッドに招待して眠りました。
最初はベッドを貸すのを嫌がっていたけど、今はどんな気持ちでしょうか?
みんなで歌って、踊ったのは、こんな音楽でした。
「ふわふわベッドが見つかった きょうはたのしい おいわいさカシャカシャ、ドンドコ、プップクプー」
この「カシャカシャ、ドンドコ、プップクプー」は、何の楽器を演奏している音か、想像してみよう♪
そして、どんな音楽だったか、歌って踊ってみよう♪
「お祝いのパーティー」の見開きの絵をもとに、楽器を考えてみると…
<参考>
●音 → 楽器 → 絵本で描いている楽器
●カシャカシャ → マラカス → 蛇いちご(?)のマラカス
●ドンドコ → 小太鼓 → どんぐりの小太鼓
●プップクプー → ラッパ → (夕方なので)ゆうがおのラッパ
親子の感想


「そらまめくん、ベッド見つかって良かったね~♪」
「あれ? これは、うずらちゃん?」

この絵本のステキなところは、そらまめくんの「優しい気持ちへの変化」が、丁寧に描かれているところです。
自己中心的なところがあった「そらまめくん」は、自慢のベッドをなくしたところから、心に変化が現れます。
「ベッドを貸してくれる」という、みんなの優しさに触れたり、うずらの卵を見守るうちに卵の方が気になり始め、卵がひよこにかえる時には「もうひといき!」と応援したり…。
「ベッドが見つかったお祝い」を仲間のみんながお祝いしてくれた時は、本当に嬉しそうです♪
そして、みんなをフワフワのベッド招待し、一緒に眠るラストシーンでは、そらまめくんはとっても幸せそうです♪
そらまめくんの「心=優しい気持ち」は、一番大切な宝物を失った時に、大きく成長しました。
この絵本は、こうした「そらまめくん」の経験 (驚いたり、悲しくなったり、応援したり、楽しくなったり…)を通じて、子どもたちや私たちにも「優しい心」を教えてくれます。
今回ご紹介した本
