雪害では、どのような災害が起こるのか

雪害の代表的ものとしては、雪崩、除雪中の転落事故などの豪雪地帯特有の災害のほか、路面凍結などによる交通事故や歩行中の転倒事故など、豪雪地帯以外でも発生する災害・事故があります。
また、雪の降る地域の住民だけでなく、冬山登山やスキー、観光などで豪雪地帯を訪れる多くの人々も被害に遭っています。雪害に遭わないためにも、雪に対する正しい知識を深めておくことが大切です。
下記の5つのケースに分けて、雪害を説明していきます。そして、今回の記事では、雪のレジャーでの事故に絞ってお伝えします。
1.除雪中の事故
2.車による雪道での事故
3.歩行中の雪道での事故
4.雪のレジャーでの事故
5.雪崩による事故
雪のレジャーで注意すべきこと

雪のレジャーでの事故は、自分自身の油断や、状況判断・認識の甘さから発生するものが目立ちます。
・厳しい気候に対して体調管理が万全で無かったり、天候の変化やトラブルになったときに対応する装備が不十分だったりすることが、事故の原因となりやすいのが特徴です。
・スキーやスノーボードでは、転倒や滑落、人や立木への衝突による打撲や骨折、また、死亡事故が度々発生しています。
・冒険気分でコースをよく確認せずに立入禁⽌区域へ入ったりすると、迷ったり遭難することが多くあります。また、「遭難しても携帯電話があれば助けが呼べる」と思っていても、⼭岳地域では確実に通話できるとは限りません。
・冬山登山では、経験や準備不足などで、平成22年度以降、遭難者数が5年連続して200人以上と深刻な状況にあります。
雪のレジャーで事故に遭わないためには
雪のレジャーが危険と直結していることを理解して、準備をして楽しむようにしましょう。
・いきなり激しい運動はせず、体を慣らすことを意識しながら楽しみましょう。また、体調が優れない場合は、運動を控えインドアで過ごすこともことも考えましょう。
・山麓と山頂では天候が正反対になることもあるので、事前に必ず気象状況や天気予報を確認し、急変時には無理な行動は控えましょう。現地の係員の指示やアドバイスには従いましょう。
・スキーやスノーボードなどで自分の能力以上の無理な滑りは事故の元です。安全な範囲で楽しみましょう。もらい事故を避けるために周囲にも気を配りましょう。
・気を付けていても、雪崩は突然発生する場合があります。事故に遭わないためにも雪崩の知識もきちんと身に付けておきましょう。特に新雪がたくさん積もった後は、雪崩が起きやすい場所を避けて行動するなど、細心の注意を払いましょう。また、埋没に備えビーコン(電波発信機)等も所持しておきましょう。
・トラブル発生時を考え単独ではなくグループで行動し、適時、仲間がいるか確認しましょう。
・緊急時に備え、無線機や携帯電話を携行し、可能であれば予備バッテリーも携行しましょう。
・冬山登山に関しては、山岳関係のサイト等で情報を入手し、ルールを守って行動しましょう。
雪山で万が一迷ったり遭難したら…

・視界が悪くなったら、動き回らずに天候の回復を待ちましょう。
・遭難したら、携行した無線機や、使用できる場合は携帯電話で連絡を取り、必要に応じて110番通報し救助を求め、状況や現在地の地形などわかる限りの情報を連絡しましょう。
・救助まで時間が掛かりそうな場合は、携帯電話等の電池消費を抑えるため、こまめに電源を切り、低温で上手く動作しないのを避けるために、体に近い場所に置いて暖めておきましょう。
・その場にとどまらないといけない場合は、目印になるものを木などに付け、根元などに雪洞を作ってその中で寒さをしのぎ、カイロがあれば暖を取り、救助隊を待ちましょう。独自の判断でむやみに動き回るのはやめましょう。
参考資料
・首相官邸HP
・警察庁